イギリスの家|歴史あるものを大切に受け継ぐ

イギリスの家|歴史あるものを大切に受け継ぐ

イギリスには、100年や200年の古い家が多く残されています。古いものを大切にするイギリス人の気質が伺えます。
美しく残されているイギリスの家とそれをモチーフに日本で建てられた輸入住宅をご紹介します。

コッツウォールズの家

イギリスの家と言うと、まず、思い浮かぶのがコッツウォールズ地方の家です。
コッツウォールズ地方は、イングランドの中央部に広がる標高300m以上に広がる丘陵地に位置していて、時に、イングランドの中心と言われることがあります。ちなみにコッツウォールズとは、「羊の丘」という意味があります。
このコッツウォールズ地方で採れる独特な美しあい石を外壁にあしらった住まいがコッツウォールズ地方の代表的な家です。この美しいはちみつ色のコッツウォールズストーンは、天然の石灰岩でできていて、年月とともに味わいが出ます。このコッツウォールズ地方の街並みは、とても美しく、毎年、世界中の多くの観光客が訪れています。

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ハーフティンバースタイルの家

次にイギリスの家と言ったら、ハーフティンバースタイルの家を思い浮かべます。このハーフティンバースタイルの家で有名な英国の家が、ストラッドフォードのアボン エイヴォンにあるシェークスピアの生家です。ポストアンドビームの構造体と漆喰の塗り壁のコントラストが美しいデザインの家です。イギリスの大英帝国時代以前は、豊富なオークの木を使ったハーフティンバースタイルの家が建てられました。オークは、ヨーロッパでは神木と言われています。このオークは大変堅く、イギリスの家の構造体として大変適していましたし、その木目の美しさは、年月が経つほど、より美しく変化してきました。

ハーフティンバーの外観

しかし、大変残念なことに、鉄の製造の燃料としての木炭消費、造船など、18世紀から19世紀にかけて大量に消費したためにオークの森は無くなっていきました。

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石造りの家

イギリスは、その土地土地で採れる石を使った家が、各地にあります。

その中の特徴的な一つの建物が、スコットランド地方のステントンという小さな村があります。外壁の石の色は、赤茶色。イギリスでは、このような美しい街には、景観規制を布いているため住宅地としてとても価値が高いものになっています。
日本でも、京都の街の一部は、風致地区として景観規制が布かれていて、街並みを大切に守っていますね。ステントンの村は、ゆるくカーブした道に沿って赤茶色の石で作られたコテージが並んでいます。乱積みの石の表情がとっても温かくて良いです。どの屋根にも、赤いパンタイルが使用されていて、統一感があります。イギリス人の古くて良いものを大切にする文化が、いたるところで感じることができます。

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アーツ&クラフツ運動と住まい

18世紀の半ばから19世紀後半にかけて起きたのが、産業革命です。
綿織物の生産過程における様々な技術革新、製鉄業の成長、そして蒸気機関の開発による動力源の刷新が産業革命の大きな原動力となりました。この産業革命が興った結果、世間に大量の粗悪品が出回ったのですが、この現象に対して異論を唱えたのが、イギリスの詩人であり思想家であり、かつデザイナーでもあったウィリアムモリスです。ウィリアムモリスは、産業革命によって大量に出回った粗悪品に対し、中世の職人たちの手仕事に帰り、生活と芸術を統一することを主張した「アーツ&クラフト運動」を立ち上げました。そして、自らモリス商会を立ち上げてインテリア商品などを製作しました。少し高価なインテリアでしたが、そのデザインは、その後も多くの人々に愛され、家のインテリアに採用され続けています。

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この、アーツ&クラフト運動は、ヨーロッパに広がっていったのですが、そののちに大西洋を渡ってアメリカ大陸にも伝播していきました。アメリカ大陸でこの運動を受け継いだのが、建築家では、旧帝国ホテルを設計したフランクロイドライトであり、木組みの美しさを追求し建築を芸術までに高めようとしたグリーン兄弟でした。

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また、家具では、グスタフスティックリーが大きな影響を受けました。彼は、雑誌「クラフトマン」を発行して、モリスの思想を広めていきました。そのころに作られたスティックリーの家具は、アンティークとして高値で取引されているほどです。

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このようにイギリスのウィリアムモリスの運動は、アメリカ大陸の家やインテリアへも大きな影響を与えていきました。