アメリカの典型的な家のスタイルである「ラップサイディング」と「カバードポーチ」。それを今風にアレンジした新しいアメリカのトレンド、それがファームハウススタイル。これまでのデザインと大きく違うのが、横貼りのサイディングに縦張りのパターンをミックスした組み合わせ。今回の事例は縦と横のパターンの組み合わせだが、ほかにも横貼りサイディングにモール壁を組み合わせたパターンもある。
モダンさを演出するために、どこか家全体を引き締めるアクセントカラーとしてブラックの玄関ドアを採用。さらに、カバードポーチの天井にレッドシダー材を貼ることで家全体の表情を柔らかくする効果で、いろいろなマテリアルが組み重なってファームハウススタイルが完成されていくのが特徴的
伝統、クラシカル、豪華な装飾・・・S様夫婦が抱いていた輸入住宅はそういったイメージ。
そういう家も素敵だけど、自分たちのライフスタイルをうまく重ねられなかった。デザインや素材を含め、一目で輸入住宅とわかる存在感でありながら、シンプルで暮らしやすい、モダンなテイストの家もある。呆然とした思いから、インスタグラムなどで海外のトレンドを調べてたどり着いたのがファームハウススタイルでした。
竣工/2020年 延床面積/134.64m²(約40.8坪) 工法・構造/枠組み壁工法 2×4 施工会社/メープルホームズ神奈川南
URL:https://maplehomes-kanagawaminami.com
【エントランス】外壁に合わせてマット感のある塗装をしたドアを開けると、清潔感のあるエントランスホール。シュークロークのドアは玄関ドアと高さを合わせ空間の縦への広がりを強調した。輸入のシーリングライトのデザインはドラム型でいたってシンプルだが、クリスタルガラス素材によることで空間のアクセント役を果たしている。
【リビングダイニング】中はとにかく明るさを出すため壁は薄いグレイッシュホワイトのドライウォールを採用し、シンプルな雰囲気に。そこにグレイのキッチンや家具などで身を纏い、インテリアを完成させていく。つまりファームハウススタイルは装飾ではなく、色使いとバランスで個性を出していくのが特徴的なのである
【キッチン】カナダの輸入キッチンメーカーであるメリット社を採用。キッチンの面材などの色は、奥様曰く「冷たすぎないグレー」にこだわった。窓、ケーシング、奥のメトロタイルなどは白を選び、白とグレーのバランスを意識した。そこに、アクセントカラーとして照明とスツールをゴールド色で引き締め、全体の調和を図った。
【パウダールーム】ドアのある独立したスペースとなっている。「脱衣所などと一緒だとどうしても生活感を隠しきれない」という理由から独立させた。鏡はメディスンキャビネットになっていて、こまごまとした化粧品などもきれいにここに収まる設計になっている。