アメリカンカントリーとフレンチカントリー

カントリーハウス|アメリカンカントリーとフレンチカントリー

日本でカントリーハウスというと主に2か国の住宅がイメージされます。それは、アメリカンカントリー、フレンチカントリーです。一口にカントリーハウスと言っても、それぞれの国の気候風土や立地によって特徴が異なります。それぞれのカントリーハウスの特徴をご紹介します。

アメリカンカントリーハウス(北米カントリースタイルの家)

もっとも古くから日本人に親しまれているのが「アメリカンカントリー」の家です。
これは、古き良き西部開拓時代の北米大陸(アメリカやカナダ)の家をモチーフとしており、第二次大戦後、多くの日本人が映画や小説によって知り、親しまれてきた世界です。

その中で有名な小説に、「赤毛のアン」があります。ルーシー・モード・モンゴメリーが1908年に発表した長編小説です。

ルーシーMモンゴメリと「赤毛のアン」ライセンス

小説の主人公で孤児であったアン・シャーリーが、苦労の末たどり着いた家が、グリーンゲーブルズというアメリカンカントリースタイルの家で、そこで自由な想像力を発揮して成長していくアンの物語となっています。 赤毛のアンは、豊かな想像力を膨らませて様々な世界を描いていきます。やがて、成長した彼女は、教師となり職業婦人となっていきます。

戦後、まだ、娯楽の無い世界で、多くの女性たちがアンの生きざまに憧れ、カントリースタイルの暮らしとインテリアを好きになり、将来に夢をはぐくんでいった小説と言えます。

日本の小説のタイトル名は「赤毛のアン」ですが、英語のタイトル名は、「Anne of Green Gables」と言います。これは、「緑の切妻屋根の家で暮らすアンの物語」という意味です。
このグリーンゲーブルズスタイルは、ラップサイディングの外壁と急勾配の屋根が特徴で、現在、日本の代表的なカントリーハウスのデザインの一つとなっています。

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世界中の小説の中で、家のデザインがタイトル名に使われているのは、この「赤毛のアン」くらいで、とても珍しいタイトルと言えます。
このグリーンゲーブルズは、赤毛のアンの舞台となったカナダ東部プリンスエドワード島に博物館として建っています。

グリーンゲイブルズハウス

赤毛のアンの博物館のインテリアは、小説が書かれた当初のインテリアが再現されており、イギリス系移民たちが好むブリティッシュスタイルとなっています。

プリンスエドワード島とグリーンゲイブルズハウスリンクボタン

ただ、日本で建てられているグリーンゲーブルズの多くは、いわゆるアメリカンカントリーのイメージでパイン材を主とした明るいインテリアとなっています。

赤毛のアンの小説が日本で紹介されてしばらくたち、日本は高度経済成長期に入りました。この時期に親しまれたカントリー小説が、アメリカンカントリーハウスの代表的な「大草原の小さな家」です。英語のタイトル名は、「Little house on the Prairie」です。1932年に、ローラインガルスワイルダーが発表した半自叙伝で、1870年代~1880年代を舞台にしています。

パイン材のインテリア

これは、NHKのドラマで紹介されたことで、多くの日本人の心をつかみました。
この小説も「赤毛のアン」と同じように、小説のタイトル名に「家」が入っていますが、その家自体の特徴は明確ではありません。
ただ、西部開拓時代の暮らしのなかで、家庭を大切にする家族愛は、当時の高度成長期の日本の家庭(父親が仕事人間で家庭を顧みない状態)にとってとても斬新であり、多くの若者たちにカントリースタイルの暮らしに憧れを持たせました。

日本では、アメリカンカントリーのインテリアの特徴は、家具に象徴されるように北米のパイン材が主に使われた木肌を生かすインテリアです。

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フレンチカントリーハウス

近年、人気を博したカントリーハウスが、フレンチスタイルのインテリアを主とした、フレンチカントリーの家です。
フランスは、日本人にとても人気のある国です。そのフランスの家は、漆喰やフランス瓦などの自然素材が豊富に使われ、日本人の好みにとてもマッチします。
フレンチカントリーの代表的なインテリアデザインは、無垢の床材です。現地では、ボルドーパインや、フレンチオークが使われていますが、日本では、比較的手に入りやすい北米パインや北欧パインを主として使用します。

壁は、漆喰や珪藻土を使用して、人のぬくもり感のある仕上げとなっています。
仕上げ方自体は、異なりますが、昔の日本の住まいとその素材感は非常に近いものがあるため、親近感があり、かつ、明るくおしゃれな仕上げとすることで、フレンチスタイルのカントリーインテリアは、多くの女性に人気を博しています。

フレンチスタイルインテリア写真

フレンチカントリースタイルの外観は、主に南仏と北仏に分かれます。

コラム:フランスの家

南仏は、雨の少ない地域のために、屋根の勾配が低く、丸瓦が主に使われています。
外壁も漆喰仕上げとなっています。

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北仏は、雨の多い地域のために、平瓦が使われ、屋根の勾配も急となっています。同じフレンチカントリーの家でも、土地土地の気候によって建物のデザインが変わっていますね。

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